【高校生1,673名対象】共通テスト新科目「情報Ⅰ」の授業・入試活用実態を調査〜高3生の78.8%が今年の入試で利用予定も、学校の授業は高校生の7割が「難しい」6割が「楽しくない」〜

スタディプラス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:廣瀬高志、以下スタディプラス)のStudyplusトレンド研究所は、2024年11月19日(火)から11月21日(木)にかけて学習管理アプリ「Studyplus」上で全国の高校生を対象に「情報Ⅰの取り組みに関するアンケート」を実施、1,673名から回答を得ましたのでご報告いたします。


「情報Ⅰの取り組みに関するアンケート」 トピックス

  1. 学校外でのパソコン・プログラミング経験
    約6割が高校入学前からPCに触れる機会あり、小学生になる前からの人も
  2. 高校生から見た「情報Ⅰ」授業実態
    高校生の7割が授業内容「難しい」女子はより顕著な傾向
  3. 「情報Ⅰ」入試利用・受験勉強実態
    高校3年生の78.8%が入試で情報Ⅰを「利用する」、”国公立志望なら必須”が背景に
  4. 「情報Ⅰ」に対する感想・印象
    「情報Ⅰ」は「将来に役立つ」が約7割も、半数以上が授業は「楽しくない」

◆本調査の概要

  • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(高校生)
  • 回答者  : 1,673名
    *【属性分類】高校1年生320名(男子101名・女子204名・分からない/答えたくない5名)高校2年生451名(男子147名・女子296名・分からない/答えたくない8名)、高校3年生902名(男子348名・女子539名・分からない/答えたくない15名)
  • 調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。
  • 調査時期 : 2024年11月19日〜11月21日
    ※本リリースにおけるデータは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

インタビュー調査を含む本調査結果の完全版については、Studyplusトレンド研究所の公式サイトで紹介しています。 https://www.trend-lab.studyplus.jp/post/20241212

■ トピックス①約6割が高校入学前からPCに触れる機会あり、小学生になる前からの人も
学校以外のシーンでパソコンやプログラミングに触れたことがある人がどの程度いるのか調査しました。
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自宅でパソコンを使っていない高校生も3割程度いたものの、6割近くが高校に入る前からパソコンを使った経験があることがわかります。中には、小学生になる前の幼少期からパソコンに触れている人もいるようです。

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学校以外でプログラミングを習う機会は、33.0%が「ある」と回答しました。他の世代と比較したデータではないため一概には言えないものの、おそらくZ世代より上の世代が高校生だった頃よりもプログラミングが身近なものになっているのではないかと推察できます。

■ トピックス②高校生の7割が授業内容「難しい」女子はより顕著な傾向
2022年度からの学習指導要領で必修化となっている「情報Ⅰ」の授業について、高校生がどのように感じているかを調査しました。
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状業内容については全体の約68%が「かなり難しいと感じる」または「難しいと感じる」を選択しており、授業の難易度が高めであることが伺えます。
また、男女別で見てみると、「かなり難しいと感じる」または「難しいと感じる」を選択した人は男子に比べて女子のほうが16ptほど上回る結果となりました。
過去にStudyplusトレンド研究所で行った「文理選択」に関する調査でも、理系科目への苦手意識がある学生は文系を選択する傾向が見られ、特に女子にそのような傾向が顕著に見られる結果がありました。(※)
「情報Ⅰ」の授業の中には、数学的な内容が含まれる問題もあることから、今回も同様の傾向が見られたのではないかと思われます。
※参照:「中学3年時点で文理選択で迷っている “グレーゾーン” の割合が半数以上、悩む生徒のために「理系への苦手意識払拭」「将来像の提示」が必要か?~文理選択に関する約3,000名のアンケート結果を公開~」 https://www.trend-lab.studyplus.jp/post/20230824

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「情報Ⅰ」の授業の中で難しいと感じる学びの内容について具体的に聞いたところ、「プログラミング」に関する学びが難しいと感じる人が多い結果でした。学校以外で触れる機会も少なく、授業の内容だけで理解を深めるのはなかなか難しい領域なのかもしれません。

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「情報Ⅰ」の授業を担当している先生が、この分野を理解して授業を受け持ってくれているかを聞いたところ、6割以上が先生の理解度は十分だと感じていました。とはいえ、約3割の学生は先生の理解度が不十分であると感じており、前述の通り授業の難易度が高いと感じる学生の多さも踏まえると「教え方」に課題がある可能性も否定できないでしょう。

■ トピックス③高校3年生の78.8%が入試で情報Ⅰを「利用する」、”国公立志望なら必須”が背景に
来月行われる今年度の大学入学共通テストからは、「情報Ⅰ」が出題教科に追加されています。そこで、大学入試における「情報Ⅰ」の利用予定や受験勉強の状況を調査しました。
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来月の共通テストの受験対象となる高校3年生は、約8割が利用予定と回答しており、まもなく受験学年となる高校2年生でも6割以上が利用予定と回答しました。また、受験勉強が本格化するまでまだ猶予があるはずの高校1年生でも、利用する予定の人が半数近くにのぼりました。

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「利用する」と回答した理由は、ほとんどが「国公立を志望しており、必須だから」という結果となりました。その他の理由としては、「得意な科目で得点源にできる」が2番目に多く、あえて選択するという人もわずかながらいるようです。

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「情報Ⅰ」を利用すると決めた時期について聞いてみたところ、一番多かったのは「高校1年生の4〜6月」となりました。高校3年生のみに絞っても同じ結果となります。これは、「情報Ⅰ」が受験科目に必須となっている「国公立大学への受験」を高校1年生の早期から見据えているためではないかと考えられます。

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「情報Ⅰ」を受験科目として使う予定の人を対象に、「情報Ⅰ」の受験勉強をどの程度しているのか聞いたところ、他の教科に比べて時間を割いていないと答えた学生が9割以上となりました。

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対策方法については、学校の授業での内容や教科書で対策している人が61.9%、それ以外に参考書や問題集を購入して対策している人が26.7%となっています。他の5教科とは異なり、基本的に学校の授業で習ったことや授業中に使った教科書で十分対策できる範囲なのかもしれません。そのためか、「対策していない」と回答した人も12.0%と少なくありません。

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受験対策においてはどのような点に難しさがあるか聞いてみたところ、やはり過去問などの情報が揃っていないことをあげる人が6割以上となりました。中には、

  • 配点が高いので悩みの種。勉強法がわからない「情報Ⅰ」が増えて負担が大きい。
  • 模試の時間が長くなり精神的にも身体的にも厳しい。
  • 模試のレベルのものが当日出題されるのか不安になる。
  • 5教科でも精一杯で余裕がない。
    といった回答も見られ、学生の間でも負担の増加や初めての科目ということで混乱が生じていることが伺えます。

■ トピックス④「情報Ⅰ」は「将来に役立つ」が約7割も、半数以上が授業は「楽しくない」
「情報Ⅰ」に対して率直に感じていることや印象についての調査結果をご紹介します。
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「情報Ⅰ」での勉強内容が将来に役立つと感じているかどうかは、約7割が「将来の役に立つと思う」と回答しました。

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「情報Ⅰ」の授業や学習を楽しいと感じているかどうかは、「楽しい」と感じている人は約4割と、「役立つ」と感じている人と比べると27ptも減少する結果となっています。

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将来の役に立つと感じている人と将来の役には立たないと感じている人で、それぞれ授業や学習の楽しさについての回答を掛け合わせたクロス集計の結果、やはり「将来の役立つ」と感じている高校生ほど授業や学習も楽しいと感じている人が圧倒的に多い結果となりました。

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「情報Ⅰ」の授業や学習が楽しい理由についての自由回答を見てみると、元々プログラミングやパソコンに触れる機会があり、得意意識があったことや、具体的なツールの使い方や技術の仕組みを理解した上で「役に立つ」と実感できることが大きな要因となっているようです。また、先生の教え方の面白さやわかりやすさも「楽しい」と思える一因となっている点は、他の教科と同じとも言えるかもしれません。

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表裏一体とも言えますが、「楽しくない」と感じてしまう理由も「先生の教え方」や「授業内容のつまらなさ」が大きく起因しているようです。授業の中で、少しでも苦手意識を取り除いてあげることや、将来へつながるという具体性のある内容を提示してあげることで、高校生の「情報Ⅰ」への印象も変わってくるかもしれません。

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「情報Ⅰ」に対しての印象や提言を自由回答で求めたところ、授業や学習が「楽しい」と回答した人も「楽しくない」と回答した人も、共通テストの受験科目として追加されたことに対しての疑問を強く感じている点は共通しています。また、先生の教え方にばらつきがあること、期待している授業内容ではないことなども課題として抱いているようです。

■ Studyplusトレンド研究所 調査所感
今年度は「情報Ⅰ」が受験科目として導入される初めての年ということで、学生たちの間では不安や混乱が少なくない状況であることが浮き彫りになりました。また、授業の在り方や先生の指導方法にも課題があることもわかり、指導要領に追加されてからたった2年しか経っていないことを踏まえると、手探りなのは学生だけでなく先生たち含めた教育現場全体に言えることなのかもしれません。
とはいえ、「情報Ⅰ」を楽しいと感じている高校生は4割以上、将来に役立てられそうと感じている人に至っては7割と、明るい結果も見受けられました。
受験対策や傾向などは、今年の試験問題を踏まえて情報が増えていくため、来年度以降はもう少し対策の方法も見えてくるかもしれません。また、せっかくならば単純な受験科目のひとつとしてではなく、学生たちの今後の職業選択にも役立つような授業内容にアップデートされ、より多くの学生が「楽しい」と感じるような教科になっていくことを期待したいところです。
本調査結果の完全版については、Studyplusトレンド研究所の公式サイトで紹介しています。
 https://www.trend-lab.studyplus.jp/post/20241212

■学習管理アプリ「Studyplus」 概要
「Studyplus」は、日々の勉強を記録・可視化し、ユーザー同士でシェアして励まし合うことができる学習管理アプリです。 
ユーザーの自己調整学習、学習モチベーションの維持・向上をサポートします。
累計会員数900万人以上、大学受験生の2人に1人以上が利用しています。https://www.studyplus.jp/

※アプリダウンロードURL
App Store:https://apps.apple.com/jp/app/apple-store/id505410049
Google Play:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.studyplus.android.app

■「Studyplusトレンド研究所」 概要
「Studyplusトレンド研究所」は、日本最大級の学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーを通じて、次代を担う若者の「いま」を見つめるための研究所です。
若者の学校生活や学習・受験といった側面から、好きなアーティストや消費行動といった生活者の側面まで、これからの新しい時代の「トレンド」を研究していきます。
https://www.trend-lab.studyplus.jp/

■スタディプラス株式会社 概要

  • 所在地:東京都千代田区神田駿河台2丁目5−12 NMF駿河台ビル4階
  • 代表取締役:廣瀬高志
  • 事業内容:学習管理アプリ「Studyplus」、若年層向けマーケティングソリューション「Studyplus Ads」、教育機関向けコミュニケーションプラットフォーム「Studyplus for School」の提供
  • 設立:2010年5月20日